MANGA マンガ専攻/マンガ分野
マンガはこの世で最も伝わりやすい発信の手段
実際にマンガ専攻の入試に携わっている教員が、入試のポイントを大公開!持参作品としてアピールしやすいものの傾向や、実技試験の対策としてどんな準備をすればいいか?ということから、特待を狙うためのポイントまで、マンガ専攻の「弱点」をさらけ出しちゃいます。
マンガ専攻の教員による、マンガ分野の紹介です。ただ「上手な絵を描くこと」だけが大事なのではなく、「ストーリー」や「演出」なども求められるのがマンガという分野の手ごわいところ。そんな「マンガを学ぶ」とは、具体的にどういうことなのか?という疑問にお答えします。
特徴
最先端の機材とソフトで、「今」の技術を身に着ける
PC実習室には、制作用に21.5インチの大型液晶タブレット50台を完備。クリエイターの必需品であるAdobe CCのアカウントを全学生に配布し、自宅でも利用できる他、マンガ制作シェア最大を誇り、イラストやアニメーションまで幅広く制作できる制作ソフト「CLIPSTUDIO EX」と3Dモデリングソフト「Blender」を連携して作画する授業など、「今」世界で必要とされている技術を学ぶことができます。
ゼミの個別指導で本物の個性を育成!
「我流」と「個性」は違います。
多くの人の心に響く普遍的な作品は、強固な土台なしには作れません。その土台が「基礎技術」と「基礎知識」です。1・2年生で基礎を身につけた学生は、3年生からゼミ(研究室)に所属し、徹底した個別指導で、自分だけが作れるものを探求します。また、一年次から、講評では全員が自分の作品をプレゼンし、学生同士の相互講評も行うことで、同年代の視点からの感想も得られます。多くの人の心に響く作品を育てるために、「描いた作品を必ず他の人に見てもらえる」という環境が整っています。
アトリエに「自分の机」がある安心感
マンガ専攻実習室では、各自に机を割り当て、キャビネットを一台ずつ貸与しています。机はパーテーションで仕切られ、集中して作業しやすい環境になっています。机上は自由に使うことができ、自分の好きなコミックスや、キャラグッズなどでデコる人も。
※オープンキャンパスや入試など、イベントで実習室を使うときには、机上の物を片付けてもらうことがあります。
授業紹介
マンガ・イラストともに、基礎から学べるカリキュラム。1~2年次は、感覚的になじみやすいアナログの技術から始まり、発想や構成などの「考え方」を学びながら、現代の必需品であるデジタル作画の知識へと進んでいきます。
3~4年次ではゼミに所属し、自分の目指す方向性を深めていきます。それぞれに特色を持つゼミを選び、やりたいことを追求することができます。
1年次
共通基礎(全専攻授業)
1年次前期には共通基礎科目として全専攻で、「デッサン」「色彩構成」「造形感覚」「素材研究」を学び美術の基礎を固めます。
専攻別授業
専攻別授業では、漫画原稿用紙や、CLIPSTUDIOなどの基本的な使い方から学び、短編マンガの制作を行います。つけペンを使ったアナログでのマンガ技法や、人体デッサンの基礎的な練習方法を始め、既存の作品を元にストーリーの構成を学ぶグループワークなど、マンガ制作の基礎を学びます。また、充分な資料集め絵だけで勝負する「サイレント作品」や、カラー・縦スクロールのウェブトゥーンの制作を通じて、「ストーリーやキャラクターの内面を絵で表現すること」に挑戦していきます。
2年次
マンガ専攻では2年次から分野別の課題が始まりますが、教員や実習室等が分かれることはなく、同じ部屋でそれぞれの分野の課題を制作します。講評も、分野を分けることなく一緒に行います。内容に違いがあるとはいえ、どちらの課題でも、どちらの分野にも役立つ知識を得ることができるからです。そのため、課題ごとに分野を選び直すことも可能です。
プロの画面を模写したり、古くから日本のマンガに大きな影響を与えてきた古典映画を解説付きで鑑賞したりすることで、画力・構成力の双方から創作の基礎力を養います。また、キャラクターの性格を掘り下げてその特徴を表現することを主題とする課題や、構図や画面構成による伝わりやすい表現を模索する課題など、マンガ・イラストともに「読みやすさ・わかりやすさ」の基礎作りを重視しています。
3年次
ここからは分野で課題を分けるのではなく、ゼミに分かれて、「マンガ」「イラスト」「動画」「メタバース」など自らの意思で選択し、制作を行います。各ゼミの方向性は「プロ育成」「各自の創造性育成」「産学連携や新分野の開拓」など、多岐に渡ります。日々進化するマンガとイラストの世界の最前線に触れつつ、発想力、構成力、画力を鍛え、3Dモデリングの基礎など、現在の業界で需要の高い技術も学びます。魅力的な絵を描く技術を身に着けて、学内誌「COMICステラ」の表紙に抜擢される人もいます。
特別講演
プロのクリエイターをお招きしての特別講義や技術指導などは、ゼミや分野を問わず参加することができます。マンガやイラストの分野で活躍中の先生たちはもちろん、那須どうぶつ王国主導による「プロジェクト9b」についての講義など、「クリエイト」そのものを活かす試みについて、直に学ぶことができます。
全ゼミ生に対して行う特別講義では、プロのクリエイターを迎え実践を交えた作品の作り方を学びます。地域連携としてマンガやイラスト、アニメーションを活かした実際の広報活動を知ることで、自身の制作を活かせる場について学びます。
4年次
4年次には、3年次に学んだことを踏まえ、さらに自分の専門的な分野での創作を深めていきます。個人での制作の他、中には帝京大学との共同研究でVR作品の制作や、産学連携で外部の企業から依頼を受けた仕事の制作を行う学生もいます。
卒業制作
これまで培ってきた自分の世界を、いよいよ外部に向けて発信する時です。前期中は制作をしながら冊子作りの知識を身に着け、後期には卒業制作の完成形として、各自で卒業作品を収録した個人冊子の制作を行います。冊子は印刷所へ発注することを前提とし、製本された冊子をもって提出となります。
卒業制作展は、学生の自主的な意図に基づき、COMITIA(自主制作漫画誌展示販売会)に参加して行います。即売会では、実際に販売をおこなうことで、自分の作品がシビアに評価される緊張の一日となります。作品の制作と同時進行で、展示の企画立案と制作・準備を行います。外部の人との打ち合わせや宣伝など、現代のクリエイターにとって不可欠な「自己プロデュース」の力を磨きます。